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『太陽の下で 真実の北朝鮮』(2015年 チェコ・ロシア・ドイツ・ラトビア・北朝鮮合作)

私は二十代後半にある女性に恋をした。彼女は在日の人だった。とても美しい人で気遣いも素晴らしかった。商社に勤めていた。英語、フランス語も堪能で日本語、ハングルと合わせる4ヶ国語をしゃべることができた。私は何とか彼女と付き合いたくてアピールした。いつものようにカフェで待ち合わせて気持ちを伝えた。その時、彼女に告げられた言葉が忘れられない。「万景峰号って知ってますよね?」私は聞いたことがあると答えると彼女は静かに語った。「あなたとは住む世界が違うのです。私たちはあの船で朝鮮へ行きます。でも悲しいかな、日本に来ている在日朝鮮人は祖国へ帰ってもあまり祝福されません。お金を持っていくだけです。私の親は日本人とお付き合いすることは望んでいません。おそらく私は朝鮮へ行き、そこで結婚すると思います。あの船で行くかわかりませんが」と言って寂しそうに微笑んだ。その後、彼女は結婚して朝鮮に行ったと聞いた。この映画を観ながらふと彼女のことを思い出した。観ていてずっと違和感に包まれた。本当にこの国に自由はないのと貧しいことが伝わってくる。日本に対する恨みの強さも尋常ではない。主演の女の子が金一族を讃える歌を暗唱する場面では涙が出てしまう。洗脳とは恐ろしい。でも我が日本でもこれに近い愛国思想を盛り込んだ学校が出てきた。愛国も度を過ぎると危険だ。今、国会で大騒ぎだ。この学校の教育をユーチューブで見たが、北朝鮮の教育ととても似ている。胸が苦しくなって最後まで見ることができなかった。ちょっと警戒しなければいけない時代に入ったのではないだろうか。

映画『太陽の下で』オフィシャルサイト

 

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監督ビタリー・マンスキー

製作ナタリア・マンスカヤ

脚本ビタリー・マンスキー

撮影アレクサンドラ・イバノバ

編集アオドレイ・ペパルヌィ

 

リ・ジンミ

 

原題        V paprscich slunce

製作年    2015年

製作国    チェコ・ロシア・ドイツ・ラトビア・北朝鮮合作

配給        ハーク

上映時間                110分

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