未来予報

おすすめの映画や自然、猫について綴っていきたいと思います。

『ショコラ〜君がいて、僕がいる〜』

20世紀初頭、フランスの実在した白人と黒人コンビの道化師の物語である。ご存知の通りつい50年前まで黒人に人権がなかった国がある。まずアメリカ合衆国。そして20年前では南アフリカ共和国。ようやく人として認められたことが嘆かわしい。白人は黒人…

『暴力脱獄』(1968年 アメリカ合衆国)

ポール・ニューマン演じるルークは映画史に残るタフガイかもしれない。言っておくが私はあまりアメリカ映画は好きではない。大体ハリウッド映画というジャンルはない。ハリウッドという地域で作られている映画の総称である。例えば日本でなら東京の築地で映…

アオサギ

アオサギ 藤前干潟へ久しぶりに行った。この干潟には多くの野鳥が飛来する。今は北方から来た渡り鳥が多く羽を休めている。アオサギが一番目に付く。エサをついばむ光景を写真に収めたくずっと待ったが中々難しい。出来るだけ静かに近づくがそっぽを向いたり…

『瞳の奥の秘密』(2009年 アルゼンチン)

この映画は邦画タイトルが工夫されていたらもっとヒットした気がする。劇場で観た時の衝撃を忘れられない。立ち上がれなかった。ハネケ作品を思い出した。同時にラテンアメリカ文学並びにラテンアメリカ映画の奥の深さと彼らの根底になる深い闇を見た気がし…

映画なんでもランキング。トランプ大統領を知るための映画3選。

社会派映画監督の巨匠オリバー・ストーン監督から見るアメリカ大統領。これを観ればトランプ大統領がわかる。 1 JFK この映画のタイトルはすなわちケネディ大統領である。ケネディ大統領は未だにアメリカ人にとって誇り高き存在であるそうだ。色々と調べてみ…

『ALI アリ』(2001年 アメリカ合衆国)

躓きとか挫折という言葉を安易に吐く人がいるが、私も含めて人種差別を受けた人たちのそれに比べると大したないと思う。モハメド・アリは黒人ボクサーとして偉大な功績を残した。いやボクサーとしてだけではなく人間としてこの地球に大きな偉業を成し遂げた…

『悪い奴ほどよく眠る』(1960年 日本 )

信じていた人に裏切られる。男にあるいは女にと人によって違うが、とりわけ仕事を一緒にしていた同性に裏切られると人間不信に陥ってしまう。社会では良くある話だが“囁き”を得意としている人がいる。囁かれた方は“焚き付けられ”常軌を逸した行動を起こして…

『スノーデン』(2016年 アメリカ合衆国 )

社会派の映画監督オリバー・ストーンの新作だ。彼の功績はいずれ紹介する。この映画はアメリカを裏切った男、そして今ではロシアの英雄になっている青年の物語だ。映画の予告で散々流された通り我々のすべてのメール、電話、SNS情報はアメリカのNASに監視さ…

『未来を花束にして』(2015年 イギリス)

この映画は現在全国で封切られている。メリル・ストリープが出演するから観たいという人がいるだろうが、それは期待しない方がいい。彼女はトータル尺5分も出ていない。ちょいっと顔を出し刑務所へ連行されて物語の進行にはほとんどタッチしていない。彼女…

『シャイニング』(1980年 イギリス アメリカ合衆国)

雪降る季節になるとどうしてもキューブリックのこの作品を思い出す。この作品はホラーのジャンルになる。ホラー作品と言えば日本では夏とイメージする人も多いだろう。しかし世界的にはあまり季節を問わないようだ。ただ最近のホラーはアクションも兼ねた大…

『鳥の歌』(1995年 ボリビア)

インディアンは主にアメリカ先住民を指す言葉だが、本来はインド人を指す言葉だったのはみなさんも知っているだろう。大航海時代、西欧列強は世界の派遣を獲得すべく植民地を増やすことに没頭した。その一番の犠牲者はインディアンであると言える。南北アメ…

ロウバイ

ロウバイの花を近くで眺めているとうっとりした気分になる。時間が経つのも忘れてしまう。理由はロウバイから放たれる甘美な香りのせいだ。チョコ、もしくはやはりのスウイートか?とにかく甘ったるくてお菓子の家に来たような錯覚すら覚える。ただあまりに…

『華氏451』(1966年 イギリス

文化、芸術を破壊する行為はその人種や民族を破滅する行為である。その際たる例は戦争だ。偶像崇拝を禁止するイスラム教の過激な一軍が凶悪なISを作り出し彼らはシリアで数々の遺跡を破壊した。でもこういった破壊行為は昔からあったのだ。特に木造建築が主…

『隠された記憶』(2005年 フランス)

初めて観たハネケの作品は『ピアニスト』だった。強烈な印象を残した。観た直後は女性の性をテーマにした物語だと感じたが、それは浅はかだったと後から気がついた。厳しい環境で育った人間のすべてではないが、物事に対して変質的な思考が交差することがあ…

『山椒大夫』(1954年 日本)

溝口健二という映画監督を知っているだろうか?黒澤は知っているだろう。小津も微妙だ。日本の映画監督で誰を知っているかと聞くと宮崎駿、北野武と答える人が多い。しかし、しかしだ。ずっと邦画の系譜をたどるともっともっと偉大な監督がいるのだ。黒澤は…

『独立少年合唱団』(2000年 日本)

せつないとか、やるせないとかそんな表現では語れない。この映画を観ている時の私に心は誰かの両手でねじられているような状態だった。とにもかくにも息が出来なかったのだ。もっと言うなら真冬の日本海の荒波が打ち寄せる浜を強風に煽られただ佇んでいるだ…

『おいしい生活』(2000年 アメリカ合州国)

ウディ・アレンの映画を一度好きになったらもう止められない。毎年、一作品を必ず発表しているからファンは今か今かと楽しみにしている。以前は監督、脚本、主演を務めていたが、最近は主演することがなくなって少し寂しい。アレンは知的で教養に溢れている…

『マジカル・ガール』(2014年 スペイン)

スペイン映画の奥深さを改めて知った作品だ。ブニュエル、エリセ、アメナーバル、アルモドバルとスペイン映画の鬼才たちは本当に素晴らしい作品を世に送り出している。このカルロス・ベルムト監督の登場には驚愕した。すごい才能だ。何て芸術だ。私が昨年、…

『父 パードレ・パドローネ』(1977年 イタリア)

イタリアという国をイメージすると底抜けに明るい人たちを思い浮かべる方もいるだろう。しかし実際にイタリア人と話してみると結構デリケートでどこかしらコンプレックスを持っている人が多いことに驚く。それはやはり南北の格差もあるが、やはり敗戦国とい…

カンアオイ

カンアオイは冬に咲く花の代表格だ。 深々と雪が降る寒い季節に花を咲かせる珍しい花だ。 咲き始めは白いが徐々に赤褐色になる。大きさは2センチ程。 比べて葉っぱは実に神々しく光っている。 緑色の大きなハート形の葉っぱだ。 その葉っぱに囲まれて地べた…

『インビクタス/負けざる者たち』(2009年 アメリカ合州国)

遂にトランプ大統領が誕生した。中継を見ていて波乱の船出だと感じたが、アメリカらしいなとも思った。あれだけの人種の坩堝である。不平不満が噴出するのも当たり前だ。このトランプ就任にあたってデモや店舗等を襲撃している様子が実は私のいうアメリカら…

『JFK』(1991年 アメリカ合衆国)

今現在、日本時間1月20日(土曜日)2017年である。間もなく第45代アメリカ合衆国トランプが就任する(何もなく終わることを祈る、またトランプが四年間の大統領職を全うするこを願う)賛否両論で世界中に波紋を投げかけているトランプだ。しかし私…

『アイ・イン・ザ・スカイ』(2016年 アメリカ合州国)

戦争そのものに正義などない。きれいな戦争などない。この映画は現在、封切りされているから劇場へ足を運んだ方もいるだろう。どのように捉えたかは個人に任せるが、私はこの映画は英米の言い訳自慢にしか観えなかった。人を殺す言い訳を絶えず探してその責…

『レイジング・ブル』(1980年 アメリカ合州国)

まもなくマーティン・スコセッシ監督の新作『沈黙』が公開される。スコセッシが発表した映画の中で私は『レイジング・ブル』が一番好きだ。元々ボクシングが好きでボクサーから発せられるエネルギーがたまらない。そのエネルギーは時として成功という肯定的…

『オープン・ユア・アイズ』(1997年 スペイン)

この映画はまったく予備知識もないまま観た。恥ずかしながら私は公開された時アレハンドロ・アメナバル監督のことを知らなかった。この映画を観て驚愕し、以後注目するようになった。私が映画を観る時は大抵、最前列の真ん中に陣取る。理由は私の視界にスク…

『善き人のためのソナタ』(2006年 ドイツ)

トランプ次期大統領の会見で彼はロシアに不名誉な情報を握られているとあった。不名誉とはつまり性的な内容をさしているらしい。それを聞いて旧共産圏の国では良くあることだと思い、この映画を思い出した。これは旧東ドイツのシュタージという国の機関が行…

マンサク

実際、東北地方ではマンサクの花が上向きに咲いた年は豊作、マンサクが咲かない年や少ない年は凶作などと言われている。 マンサクの名の由来は葉も出ないうち、いわゆる春が来る前に真っ先に咲く「まず咲く」ことからと、よれ曲がった花弁の姿を輪になって豊…

『恋する惑星』(1994年 香港)

切なすぎる、胸が締め付けられキシキシ音を立てて小さくなっていく気がした。この映画を観たのは三十を迎える頃だった。いくつかの夢を持っていた。現実の厳しさに打ちのめされた。恋も恵まれなかった。若く純粋だった心に世の中の謎が解けてため息がこぼれ…

『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』(2009年 アメリカ合衆国)

かつてボン・ジョヴィ、ホワイトスネイク、スコーピオンズ、マイケル・シェンカー・グループなどと肩を並べたで伝説的なヘビメタルバンド。ガンズ・アンド・ローゼスやメタリカにも影響を与えた。しかし今や陽の目を見ることはない。メンバーは二人しかいな…

『白熱』(1949年 アメリカ合衆国)

この映画は本当に恐ろしい。主演のジェームス・キャグニーの賜物だ。素晴らしい演技をしている。あの不気味な微笑みが恐怖を更に加速させる。冷酷非道な強盗殺人者でマザコンである。信じるのは生みの親である母親のみ。母の言うことなら耳を傾ける。妻も友…

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