『マジカル・ガール』(2014年 スペイン)
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スペイン映画の奥深さを改めて知った作品だ。ブニュエル、エリセ、アメナーバル、アルモドバルとスペイン映画の鬼才たちは本当に素晴らしい作品を世に送り出している。このカルロス・ベルムト監督の登場には驚愕した。すごい才能だ。何て芸術だ。私が昨年、観た映画の中でベストワンである。とにかく始まりから終わりまで楽しめた。もっと観たいと思った。この映画はコメディ−、サスペンス、ロマンス、社会問題とあらゆる要素が詰まっている。もちろん日本映画と日本文化へのオマージュも込められている。私はこの映画を観ながらヨーロッパの上流階級の人たちの飽くなき性への探究心の強さに圧倒された。そこまでやるのか、とため息が出た。キューブリックは遺作で『アイズ・ワイド・シャット』を撮った。特にエキゾチックな描写は仮面舞踊会の上流階級の人たちの仕草や微笑みである。性へ並々ならぬ好奇心が伝わってくる。そして作品。究極の性の世界を描いている。一見、お金持ちや上流階級の人たちはすました顔で過ごしていて、とても品があるように見える。お金と時間だけはたっぷりある。性のエネルギーへ転嫁する姿は獣なのか、はたまた聖人なのかわからない。たまに喫茶店で後ろに座ったご婦人たちが繰り広げる会話に耳を疑うことがある。とても書けない。過激すぎる。トランプが女性を卑下している発言が許せないと女性たちは声を上げているが、そのようなワイ談は世界中、日常会話として楽しまれている。そんな会話がなくなったら世界は悲しい。みんな助平なのだ。さて、この映画を一言でまとめるなら『愛とは痛い』である。ありきたりですまない。
ウイキペディアから引用
Magical Girl
監督 カルロス・ベルムト(スペイン語版)
脚本 カルロス・ベルムト(スペイン語版)
出演者 ルイス・ベルメホ
バルバラ・レニー(スペイン語版)
ホセ・サクリスタン(スペイン語版)
撮影 サンティアゴ・ラカイ
編集 エンマ・トゥセイ
製作会社 アキ・イ・アリ・フィルムズ
Canal+ スペイン
配給 ビターズ・エンド
公開 2014年10月17日
日本 2016年3月12日[1]。
上映時間 127分
製作国 スペイン
言語 スペイン