未来予報

おすすめの映画や自然、猫について綴っていきたいと思います。

『独立少年合唱団』(2000年 日本)

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せつないとか、やるせないとかそんな表現では語れない。この映画を観ている時の私に心は誰かの両手でねじられているような状態だった。とにもかくにも息が出来なかったのだ。もっと言うなら真冬の日本海の荒波が打ち寄せる浜を強風に煽られただ佇んでいるだけ、歩くこともできない状態なのだ。もちろんたった一人で。そんな気持ちになったのは当時の私をとりまく人間関係や仕事の進捗状況があまり芳しくなかったかもしれない。この映画を撮った緒方監督は後に名作を数々と送り出していく。だが私は彼の作品の中でこの作品が一番好きだ。緒方監督の青春時代の心象風景が見てとれる。あの学生運動の時代だ。私はその世代より一世代遅いが当時の若者のやり場のないエネルギーというか、いつも綱渡りを渡っている危うさを感じることができた。ゲバラ好きの私はそういう時代に生まれたかった。心をなじられながら映画のエンディングを迎えた私だがすっかり搾り取られてしまったはずなのに涙がとりとめなく流れ続けたのを記憶している。この映画のプリデュースは仙頭武則。Jムービーウオーズの作品はほとんど観ている。この作品はDVD化されていない。是非リリースして欲しいと願っている。

 

独立少年合唱団 [VHS]

独立少年合唱団 [VHS]

 

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