未来予報

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ホオズキ

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ホオズキの名は、昔“ホオ”と呼ばれていたカメムシが“付く”植物ということからこの名が付いたと言われている。子供の頃、ホオズキで音を出して遊んだ記憶をお持ちの方も多いだろう。私も晩夏になるとこのホオズキを野山から持ち帰り空の牛乳瓶にさし、窓辺に置いて期が熟すのを待った。期が熟すとはホオズキの実が柔らかく中の小種を取り出し易い時期のことである。夏場のホオズキはまだ熟れておらず固い。これではお楽しみの“笛”が作れない。今夏、知り合いのお子さんの自由研究の先生として野山に頻繁に出掛けた。昆虫採集が主な目的だったが、子供たちはこのホオズキを見つけとても興味を持った。まず橙色と緑色の釣り鐘状の形。そして両手の親指と人差し指で皮を剥いて中から出て来た小さな実を見て目を真ん丸にして現代っ子らしく、「プチトマトみたいだ」と言った。私は悪戯心が働いて彼らに「食べてごらん」とウインクしながら薦めてみた。何も知らずに食べたから酸味の効いた味にびっくりしてすぐに吐き出した。私は大笑いして子供の頃、同じ経験をした自分に思いを馳せた。バツの悪そうな顔をした彼らに秋になったらこのホオズキで笛を作って遊ぼうと約束した。そんな経緯もあり先日彼らとホオズキの笛作りをした。手で丹念に揉む。柔らかさ加減の見極めが難しい。針と爪楊枝でヘタの部分から中身を出していく。破れずに上手く出せるのはせいぜい5個の1つ。水洗いしていよいよ口に入れて音を出してみたが、私だけが上手く出ない。コツを覚えた子供たちは自慢気な顔できれいにピー、ピーと音を出す。私も負けじと試みるがついに音は出なかった。口の中に酸味が酸っぱい気持ちにさせる。悔しい、やはり童心には勝てないのか。

 

ホオズキ(鬼灯、酸漿)

分布 日本全土(東アジア原産)。
生息地 草原、田畑、河原、雑木林。
花期 7〜9月
高さ 40〜90センチ

園芸用と食用がある。平安時代は鎮痛剤として、また江戸時代は妊婦の堕胎ようとして用いられたそうだ全草にアルカロイド、酸漿根にヒストニンが含まれているらしい)それを聞くと意外であるし、子どもの頃平気で口に含んでいたのに誰も教えてくれなかったから実際はそんな効用がないのでは、と疑いたくなる。

 

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