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映画の読み方書き方『グラントリノ』(2008年 アメリカ合衆国)

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  先日、クリント・イーストウッド監督のことを書いたら、知人から電話が鳴った。「どうしてそんなにイーストウッドが良いのか教えて欲しい!」と。やはり彼はイーストウッドの『ダーティー・ハリー』の印象が強いようで、監督としての作品はあまり観ていないと言う。

 今回は『グラン・トリノ』について書きたい。この映画は正面切ってアメリカと言う国を批判している。アメリカ人である彼はこのように過去の作品に於いて自国を批判してきた。『許させざる者』は湾岸戦争、『ミスティック・リバー』ではアフガニスタン紛争、『ミリオンダラー・ベイビー』ではイラク戦争を描いている。

  そして『グラン・トリノ』はいよいよ行き場のなくなったアメリカの現実を忠実に描いている。簡単に書けば他国を犠牲にして成り立っているアメリカよ!そろそろ気づいたらどうだい!となる。映画に出て来るモン族はインドシナ戦争、ベトナム戦争では双方の部隊に所属して同じ民族が敵味方となって闘った。最も勇敢で戦闘能力が高い民族と言われている。だから大国に利用されたのだ。そしてボートープルとなって世界中に散らばったモン族は自分たちの出自を守り移住した国々で確固たる地盤を築いている(そのあたりが日本人とは違う。海外に移住した日本人の多くは日本語や日本文化を子孫に伝えていない人が多い。無論その子孫たちは日本語を話せない人が多かった。その点、モン族はちゃんと文化を継承しているから誇りが高い民族なのだろう)

  映画の中でイーストウッドは当初、彼らを嫌っていたが次第に交遊を深めて行く。そしてあろうことか、イーストウッドはキリスト教の洗礼をうけるのだ。彼の作品ではあまり見られない。いや、無い気がする。しかもこの作品でイーストウッドは死んだ。これも無いと思う。初めてイーストウドは死んだ。これはアメリカは死んだ、と言う強烈なメッセージが込められているように感じた。

  そしてアメリカ人たちに“本当の真実”に気がつかないとこの先この国はどうしようもない国になってしまう、と言う強いイーストウッドの人間として、そしてこれからアメリカで生きて行く人、更に映画を創って行く人たちへのオマージュが込められていると解釈した。何度観ても、イーストウッドの作品には発見がある。

  今の世界の行き先が見えて来る。今年、公開された『ヒアーアフター』は残念ながら見逃した。津波のイメージが強烈すぎて上映中止になってしまった。でも、出来るものなら再上映して欲しい。

  イーストウッド監督の映画を通して世界が見えて来る、そしてどう生きるべきか考えたい。

 

ウイキペディアより引用

Gran Torino
監督 クリント・イーストウッド
脚本 ニック・シェンク
原案 デヴィッド・ジョハンソン
ニック・シェンク
製作 クリント・イーストウッド
ビル・ガーバー
ロバート・ロレンツ
製作総指揮 ジェネット・カーン
ティム・ムーア
アダム・リッチマン
音楽 カイル・イーストウッド
マイケル・スティーヴンズ
撮影 トム・スターン
編集 ジョエル・コックス
ゲイリー・D・ローチ
製作会社 ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ
マルパソ・プロダクションズ
配給 ワーナー・ブラザース
公開 アメリカ合衆国 2008年12月12日
     日本 2009年4月25日
上映時間 117分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
モン語
製作費 33,000,000ドル
興行収入 269,659,918ドル

グラン・トリノ - Wikipedia

 

 

 

グラン・トリノ (字幕版)

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