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オオキンカメムシ

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私はあらゆる昆虫の中でカメムシが一番好きだ。特にこのオオキンカメムシが大好きだ。オレンジ色に輝く身体、そして黒い模様がまるで人の顔のように見えてとてもユーモアがある。手の平に乗せた重厚感もたまらない。しかも臭いは他のカメムシと違って柑橘系の不思議な香りがする。このオオキンカメムシは日本に生息するカメムシの中では最大で3cm近くある。何故この寒い季節に虫?と思う方もいるだろうがこのオオキンカメムシは集団越冬する習性があり、冬こそ一番見つけ易いからだ。実際、夏にこのカメムシを見つけた経験はない。それ程、幻のカメムシで冬にしか出会うことが出来ない。私は毎年、正月明けに三重県にある秘密の海岸へ行く。そこはツバキの花が咲き誇る群生地帯である。ピンク色の美しいツバキの花に囲まれてこのオオキンカメムシが集団で身を寄せあっている。まるで海から吹いて来る冷たい風を凌いで押しくら饅頭の如く互いの身体を暖めてあっているようでかわいらしい。私が暖かい息を吹き掛けてやると春が来たのかと勘違いしたかのように触覚をピクピクさせて動き出す。その姿をみるととても愛おしくなる。カメムシの名は瓶に由来する。ずんぐりむっくりとした形が瓶にそっくりだからである。カメムシは多くは人々には臭い虫と云って嫌われている。しかしこのオオキンカメムシはどうだろうか?この色、この大きさは誰の心をも魅了する力を持っている。しかし不思議な事に桜が咲く季節になるとどこかともなく消えてしまう不思議な虫なのだ。このカメムシは今しか見ることが出来ない最高のお年玉である。

 

オオキンカメムシ

分布 本州以南、四国、九州、沖縄。
生息地 アオギリ、ツバキ、ミカン類。
繁殖期 12〜2月
大きさ19〜-26mm。

とにかく大きいカメムシである。カメムシというと臭いと思われるかもしれないがこのカメムシは臭くない。手にとって匂いを嗅ぐと冬であればツバキの花粉の匂いがする。このカメムシを散策するなら冬がいい。海岸沿いのツバキの群生地を探して葉裏を見れば集団で群生している。集団なので簡単に見つかるかと思われがちだが、人間は冬にはあまり上を見て歩かないからか見つけられない。集団で過ごすのは越冬しているのだが、時折歩いたりする。紺碧の空を背景にツバキのピンクの花、緑の葉っぱ、そしてこのオレンジと黒のオオキンカメムシ。耳を済ませば波の音。ああ、また冬が行く、それとも春が来るのか、考えてしまう。

 

 

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