映画の読み方書き方 『友だちのうちはどこ?』(1987年 イラン)
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この映画のポスターに写る虚ろな少年の眼差しとタイトルを見ただけでこの映画の内容がわかってしまうほど単純な物語だ。一言で言うと友だちのうちを探す子どもの冒険旅行だ。映画の冒頭で先生が宿題のチェックをしている。ネバツデという少年が泣いている。ノートではなく紙切れに宿題をやってきて先生に「今度ノートに書いてこなかったら退学だ」と言われる。隣の席のアハマドは心配そうにネバツデを見ている。放課になってアハマドは学校で遊び家へ帰り宿題をやろうとしたら間違えてネバツデのノートを持ち帰ってしまったことに気づく。母にそのことを話しノートを返しに行くと言っても行かせてくれない。ネバツデは隙をみて家抜け出し友だちのうちを探しに隣の村まで出かける。隣村へ向かう道中には幾多の困難が待ち受けている。特に印象深いのは小さな体で長い“ジグザク”の坂道を上り下りする場面だ。これでもか!と言うほど長いフィックスショットで撮影されている。とても美しい光景だ。結局友だちのうちは見つからない。アハマドは家へ帰りネバツデのノートに宿題をやる。翌日、教室では先生が宿題のチェックに席を回っている。ネバツデは泣いている。アハマドはまだ学校に来ていない。ネバツデの番ギリギリにアハマドが到着しノートを渡す。先生はOKのサインを書いてページをめくる。そのページには一輪の白い花が押し花として飾られている。それがこの映画の象徴と言っても過言ではない。イスラム圏では各村毎の花が軒先を縁取っている。言わばアハマドはその白い花を見せることで「昨日、君の村へ行ったよ」と伝えたのだ。イランでは庶民が文化、歴史、伝統を重んじながら生活をしている。こんなに美しい国を攻撃しようとしているアメリカに対して疑問符を持ってしまうのは私はおかしいのだろうか?
ウイキペディアより引用
監督 アッバス・キアロスタミ
脚本 アッバス・キアロスタミ
製作 アリ・レザ・ザリン
出演者 ババク・アハマッドプール
音楽 アミン・アラ・ハッサン
撮影 ファルハッド・サバ
編集 アッバス・キアロスタミ
製作会社 児童青少年知育協会(英語版)
配給 ユーロスペース
公開 イラン 1987年 日本 1993年10月23日
上映時間 85分
製作国 イラン
言語 ペルシア語