未来予報

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フユシャク

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冬だけにしか命を全うしない虫がいる。それがフユシャク蛾という昆虫だ。この昆虫は蛾の仲間で冬にしか現れない。もっとも夏は尺取り虫という幼虫(英名メジャーリングワーム)として有名だが成虫として活躍する季節は雪も降りしきる寒い季節である。夏に出現する色とりどりの絢爛たる蛾とは違って地味なクリーム色である。フユシャク蛾の最大の特徴はメスの羽が退化して飛べないこと。芋虫のように太っている。大きさは1cm程。変わってオスは驚くべきことに氷点下の中でも元気よくメスを求めて飛び回る。主に桜林でみることができる。オス、メスとも口吻がなくエサは採らない。この寒い季節、下手に樹液などを採ると体液が氷って死んでしまうからだ。それも進化の結果だろう。夕暮れの寒い時間帯になるとオスはメスが発するフェロモンも求めて忙しく飛び回る。メスは自らの尾っぽを空に突き出しフェロモンを放つ。フェロモンが届く範囲は3m程。何匹かのオスがメスを目掛けて一斉に交尾に挑むがよりメスの近くを飛んでいるオスが一番チャンスを得られる。その姿は自分の子孫を残すために必死だ。このフユシャク蛾の交尾は実に神秘的だ。互いのお尻をくっつけて行うのだが、主導権はメスにある。メスは樹皮の表面を上下左右しながら動き回る。オスはそれに引っ張られるような格好でじっとしている。このフユシャク蛾を見つけるのは容易ではないが、桜林へランタンを持って出掛ければオスが近寄りメスがどこにいるのか教えてくれる。寒い季節の昆虫観察も命の力を教えてくれる乙な試みだ。

 

フユシャクガ
分布 北海道、本州、四国、九州。
生息地 市街地の雑木林。
繁殖期 12〜2月
大きさ8〜-20mm。

初めて見たときは本当に驚いた。こんな寒い季節にいるなんて、、、と言葉を失った。この虫を撮影するのに苦労したのは寒さ対策だ。虫を撮影するには待つ時間を楽しむ必要がある。春先は快適だ。夏は暑いが木陰に入ればやりすごせる(ただし蚊はつらい)。秋も気持ちよい。そして冬。防寒対策ができていなかったせいか、シャッターを押す指先が凍えた。でもこのフユシャクの交尾はとても神秘的だった。それが救いだった。

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