『霧の中のハリネズミ』(1975年 ソビエト連邦)
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私はアニメ映画が苦手なのである。というかあまり好きではない。ディズニー映画などは何が面白いかわからない。ジブリ映画も途中で眠くなって最後まで観た試しがない。感情移入ができないのだ。子どもの頃、テレビでアニメをあまり観なかったからかもしれない。でも週刊漫画はずっと購読していた。ジャンプ、サンデー、チャンピオンなど。漫画は動かないが、実は知らず知らずのうちに頭で動いていたし、声も聞こえていた。それがアニメ映画になると自分の想像とは異なるから好きなれなかったのかもしれない。さて、そんな私でもこのユーリ・ノルシュテイン監督の作品だけは好きなのである。まずこういったロシアの風土、習慣、伝統、文化は日本と異なり独特の世界観が衝撃だった。やはりソ連時代の社会主義という閉ざされた中で育まれた芸術活動は自由への渇望があるのだろう。この作品は終始、重たい雰囲気で進む。ナレーションのロシア語もちょっと恐ろしく感じてしまうのはあの米ソの冷戦時代を知っているからだろう。しかしそれよりも物語に惹かれていく。とにかく美しい。切り絵で一枚一枚丁寧が描かれている。霧が美しい。どうやって生み出したのだろう?デジタルでは表現できない技だ。登場する動物たちが実に可愛い。ハリネズミ、子グマ、ミミズク、白い馬、蛾、ホタル、犬、魚とすべてが可愛い。各々も動物の小さな仕草や顔の表情が本当に素晴らしいのだ。手塚治虫も宮崎駿も好きな作品と絶賛している。
ウイキペディアより引用
Ёжик в тумане
監督 ユーリイ・ノルシュテイン
脚本 セルゲイ・コズロフ
製作 ソユズムリトフィーリム
出演者 アレクセーイ・バターロフ
マリヤ・ヴィノグラドヴァ
ヴャチェスラーフ・ネヴィーヌィイ
音楽 ミハイール・メイェローヴィチ
撮影 ナジェージダ・トレシュチョーヴァ
編集 ナタリヤ・アブラモヴァ
配給 日本 ラピュタ阿佐ヶ谷
公開 1975年
日本の旗2004年7月18日
上映時間 10分29秒
製作国 ソビエト連邦
言語 ロシア語