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『羅生門』(1950年 日本)

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冒頭の雨と巨大な門ですでに人心を掌握してしまう。今観ても圧倒されるのだから公開当時の人々の捉え方はどんなだったか想像に絶する。物語は平安時代。

人の記憶や証言は当てにならないことをテーマにしている。三者三様の証言がまったく異なる。今でもこのようなことがある。学校でも社会でもまたは男女間でもある。誰かが言った言わない、誰かがやったやらないは人それぞれの捉え方で大きく変わる。受け手にとってはそれが苦痛であったり、快楽であったりする。でもその様子を見ていた人は苦痛ではなく喜んでいる姿に見えたりする。快楽も苦痛に見えたりする。つまり人間とは自分の都合の良い方に記憶を作り変えて証言する生き物なのだ。真相はいつも藪の中だ。黒澤監督はこの映画の中で人間の愚かさについて説いている。ゆえにまだ純粋な赤ん坊を登場させているのは赤ん坊は嘘も付かないし、人を陥れるようなことをしない唯一無比の存在であること対比して描写しているのではないだろうか。

 

羅生門 デジタル完全版

羅生門 デジタル完全版

 

 

ウイキペディアより引用 

Rashomon
監督        黒澤明
脚本        黒澤明
橋本忍
製作        箕浦甚吾
出演者    三船敏郎
森雅之
京マチ子
志村喬
音楽        早坂文雄
撮影        宮川一夫
編集        西田重雄
製作会社                大映京都撮影所
配給        大映
公開        1950年8月26日
イタリア 1951年9月
アメリカ 1951年12月26日
フランス 1952年4月18日
上映時間                88分
製作国    日本
言語        日本語

 

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