『青春群像』(1953年 イタリア)
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いつの時代もこういう若者はいる。毎日暇を持て余し何やることがない日々を過ごす。“やること”とは大人の指す仕事のことだが、仕事をやらずに暮らすことができれば実は一番いい。カッコつけて女を追い回し手軽お金が稼げる盗みなどに走る。でもいつかはやがて彼らは成長していくものだ。この日本はどうだろう。確かに街の繁華街には若者がタムロしているが、昔のようなヤンチャな感じがしない。今風な表現でクールに見える。とても悪いことをするようには見えない。それが逆に恐ろしいのだ。私が若いころは確かに何もせずブラブラして毎日悪さを考えている若者に恐怖を感じたことがあるが、近づかなければ害はない。でも今風の若者はまったく読めない。羊のような顔をしてやることが恐ろしい。命まで平気で奪ってしまう。気をつけようにも出来ない。さて、この映画は戦後の荒廃したイタリアには多く存在していたであろう若者五人に焦点を当てている。どうしようもない若者たちだ。でもやっていることが可愛い。酒を飲み、女遊びをし、馬鹿騒ぎを繰り返す。女を妊娠させるがそれでも女遊びを止めない。働いても長続きしない。やがて少しずつ大人へ向かっていく。五人の仲間はそれぞれ自分の道を歩み始める。彼らの本当に人生が終わったのか、それとも始まったのかはわからないが社会の中で生きていくしかないのだ。
ウイキペディアより引用
I Vitelloni
監督 フェデリコ・フェリーニ
脚本 フェデリコ・フェリーニ
エンニオ・フライアーノ
トゥリオ・ピネッリ
出演者 フランコ・インテルレンジ
アルベルト・ソルディ
フランコ・ファブリーツィ
公開 1953年
上映時間 103分
製作国 イタリア
フランス