『父 パードレ・パドローネ』(1977年 イタリア)
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イタリアという国をイメージすると底抜けに明るい人たちを思い浮かべる方もいるだろう。しかし実際にイタリア人と話してみると結構デリケートでどこかしらコンプレックスを持っている人が多いことに驚く。それはやはり南北の格差もあるが、やはり敗戦国という負い目もあると思う。イタリアの映画はロッセリーニ、フェリーニ、ヴィスコンティー、デ・シーカ等の映画はネオリアリズム、社会派と言われ重たい気持ちにさせられる。本作も然り。冒頭から気持ちが落ち込みそうだが、実はコミカルな演出に助けられる。話は貧乏な牛飼いの頑固な父親とその息子の成長物語である。羊飼いに読み書きは必要ないと言い放ち、子供を山小屋の番にさせる。子供は自然の中で音に敏感になる。やがて二十歳まで成長した息子は軍隊に入隊する。ロクにイタリア語も話せないが友人に助けられ読み書きを覚え、学問に目覚めていく。やがて有名な作家となる。かつて読み書きを不要と言い放った父との関係についてもしなやかな演出で語られている。そのさり気なさが良い。作家はかつて一人で山小屋を過ごした時の感性が良作の源になっていることは自明しているだろう。
ウイキペディアより引用
Padre Padrone
監督 パオロ・タヴィアーニ
ヴィットリオ・タヴィアーニ
脚本 パオロ・タヴィアーニ
- ヴィットリオ・タヴィアーニ
製作 ジュリアーニ・G・デ・ネグリ
出演者 オメロ・アントヌッティ
サヴェリオ・マルコーニ
音楽 エジスト・マッキ
撮影 マリオ・マシーニ
編集 ロベルト・ペルピニャーニ
配給 アメリカ合衆国の旗 Cinema 5 DistributingArtificial Eye
フランス映画社
公開 1977年12月23日
1982年7月31日
上映時間 114分
製作国 イタリア言語 イタリア語